「調査書」は大学を受験するときは、かならず大学へ提出しなければならない重要な書類です。現役の高校生は大学受験にあたって、調査書を在籍する高校に申請します。一方浪人生は大学入試の書類を提出する際に、調査書も必要になるため、自分が卒業した高校に申請し用意するのです。今回は調査書そのものの紹介と、浪人生がいつ調査書を用意するべきか解説します。

1.調査書とは

調査書は大学を受験する受験生がどのような高校生活を送ってきたのか、約3年間の状況を記載した書類です。在学中の学業成績を点数化した内申点＝評定が記載されていたことで、内申書ともいわれています。在籍する（浪人生はした）高校の先生が作成し、ほかの出願書類と同時に志望大学へ提出します。大学入試においては、原則としてすべての大学への提出が義務づけられているのです。

一般的に、調査書には大学を受験する受験生に関する以下のような内容が記載されます。

・各教科・科目などの学習記録を学年別、科目別に5段階で評価し、その成績と修得単位数

・高校1年生から高校3年生の1学期までの成績の平均にあたる評定平均値

・高校3年間の成績をA～E の5段階で表す、学習成績概評

・総合的な学習時間の内容と評価

・生徒会役員・委員会活動・学校行事の役員など、学習以外の特別活動の記録

・部活動の活躍・ボランティア活動・留学・取得資格・表彰・顕彰など指導上参考となる諸事項

一般入試では入試試験の点数が同じ場合などで、合否判定に調査書の内容が反映される場合もあります。一方で最近増えている推薦入試やAO入試では、調査書の内容が合否に大きく影響する場合があり、調査書が重要な判断材料になるのです。

1-1.共通テストに調査書は不要

共通テストを出願する際は、調査書は不要です。あくまで調査種は受験する大学に提出するもので、大学入試センターが主催するセンター試験の受験では、調査書の提出はないのです。ただし国公立大学の二次試験や私立大学の一般入試には調査書が必要となるので、この時点では忘れずに用意しておきましょう。

2.浪人生はいつ調査書を用意するのか

大学受験の際は調査書の提出が必要になります。現役の高校生は在籍している高校で受け取れます。一方浪人生の場合は、自分が卒業した高校へ直接出向いて申請する方法が一般的です。しかし最近は電話やネットで申請し、郵送してもらえる高校も増えているのです。以下で詳しく紹介します。

2-1.直接高校に行って申請

一般的に浪人生が調査書を入手する方法は、実際に在籍していた高校に連絡し、申請して受け取りに行く方法です。申請時に氏名・卒業年度・申請理由・必要枚数を連絡しておくと、受け取りがスムーズになります。なお高校によれば郵送で対応してくれるところもあります。

2-2.電話やネットで申請

浪人生が調査書を入手するもうひとつの方法は、どうしても高校に行くのが難しい場合に、電話やインターネットでの申請を認めている高校が増えてきました。ただし郵送で調査書を依頼する場合は、切手を貼った返送用封筒・手数料分の郵便小為替、身分証明書のコピーなどが必要になります。

2-3.浪人生は調査書がいつ必要か？

浪人生にとって、調査書は入学の希望する大学受験を申し込む書類として必要になるため、その時期までに入手することになります。時間がかかるケースもあり、受験書類を提出する1か月ほど前から準備しましょう。

3.調査書の活用状況

現在各大学における調査書の活用度合いは、大学によってまちまちです。全般的に大学入試の合否判断で、調査書に重きを置いている大学は多くないようです。参考程度にとどめているケースを多くみかけます。

しかし徐々にですが、調査書の内容を点数化して入試試験の得点に加算するなど、活用している大学が増える傾向です。大学受験で志望大学を決定する際に、調査書重視なのかどうかも事前に調べておきましょう。

3-1.総合型選抜は調査書重視

最近の大学入試で増えている「総合型選抜（旧AO入試）」では、調査書が重要視される傾向です。一般的に総合型選抜は筆記試験を設定しません。調査書の内容を通して、受験生の学力や人間性を確認します。

さらに総合型選抜の入試においては、志願するのはその年度の卒業見込みの生徒だけです。そのため大学側は、調査書を通してその高校生の単位取得と、出席日数の過不足を確認するのです。

4.まとめ

以上調査書の説明と浪人生がいつ調査書を入手するか、また入手方法についても触れていきました。最近の傾向として、調査書を重視する大学が増えていきました。さらに調査書の申請もインターネット経由で可能となってきたのです。今後調査書がますます重要になるでしょう。楽しく充実した高校生活を送り、調査書の内容もよくなるような高校生活を送りましょう。

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