2024年07月03日

大学受験に向けて塾にかかる費用を考えよう!ポイントについて解説

大学受験に向けて塾に通うかどうか、悩む方も多いのではないでしょうか。全国大学生活協同組合連合会が現役の受験生に行ったアンケートでは、勉強場所についての質問に対して、自宅と答えた受験生が51%、塾と答えた受験生が27%でした。塾に通うかどうかの判断材料として、費用が高いことが大きな懸念となっている方も多いことでしょう。今回は、大学受験に向けて塾にかかる費用を考える際の、いくつかのポイントについて解説します。

1.大学受験のための塾にかかる費用の相場とは?

大学受験のための塾にかかる費用は、当然のことながら、通う塾や受講科目数などによって大きく変わります。しかし、おおよそどれくらいの費用がかかるのかを把握することはできるでしょう。ここでは、文部科学省の「子どもの学習費調査」の結果を基に、高校生の学習塾費用の平均値についてご紹介します。

1-1.高校生の学習塾費の平均値について

文部科学省が2021年に行った子どもの学習費調査の結果によると、全日制の高等学校に通う生徒の学習塾にかかる費用の平均は、公立の学校で年間120,397円、私立の学校で年間171,149円でした。1か月当たり公立で10,033円、私立で14,262円かかる計算になります。また、学年別の平均値は下記の表の通りでした。

学年

公立

私立

1学年

¥80,674

¥110,873

2学年

¥107,774

¥179,923

3学年

¥170,790

¥225,035

1-2.学習塾費の支出有無別の平均金額と金額分布について

高校生の平均的な学習塾費用を調べる上で考慮すべき点として、この文部科学省の調査対象には、学習塾費の支出が0円の支出が無い層が全体の6割程度存在している点があります。つまり、大学を受験しないなどの理由で塾に通っていない生徒の家庭も、ある程度含まれていることが想定されるのです。そのため、大学受験をする生徒の平均を推し量るには、学習塾費を支出した者のみに絞って平均値を見る方が実態に近いと言えるでしょう。対象を絞った場合の平均額では、公立が年間で363,000円、私立が447,000円と金額がまったく変わってきます。

また、もう一つ考慮すべき点として、金額別の分布の割合があります。学習塾費の金額をいくつかの区分に別けて割合を集計すると、以下の表のように年間40万円以上かかっている割合が最も多くなっているのです。このことから、塾に通っている高校生の平均的な学習塾費用は、年間40万円以上かかっている家庭が多い傾向にあると言えます。

金額区分

公立

私立

0円

66.8%

61.7%

1万円未満

1.6%

1.5%

5万円未満

3.3%

3.4%

10万円未満

2.8%

3.7%

20万円未満

4.7%

5.0%

30万円未満

4.9%

4.6%

40万円未満

4.4%

3.5%

40万円以上

11.6%

16.7%

2.大学受験の塾の費用を左右する受験勉強開始タイミング

大学受験の塾にかかる費用の相場を把握するためには、年間支出額の平均値を見るのとは別の視点で、費用を左右する大きなポイントがあります。それは、受験勉強のために塾に通い始めるタイミングです。当然のことながら、塾に通い始めるタイミングが早いほど、塾にかかる費用は高くなります。費用をなるべく安く抑えようと、3学年の受験ギリギリになって塾に通い始めたのでは、手遅れになってしまわないか心配です。ここでは、ベネッセ教育総合研究所のアンケート調査結果を基に、どうするのが適切か考えてみましょう。

2-1.大学進学を意識し始めた時期と受験対策を始めた時期

少々古いデータですが、ベネッセ教育総合研究所が2008年に大学生を対象に行ったアンケート調査によると、大学進学について意識し始めたのは高校2年生の頃が29.5%と最も多い結果となりました。ついで、高校3年生の頃が24.3%、高校1年生の頃が17.8%という結果です。また、実際に受験対策を始めた時期は、以下の通り高校3年生が55.6%と半数以上となっています。

・高校1年生:6.3

・高校2年生:32.7

・高校3年生:55.6

上記の結果から、大学進学について高校2年生の頃から意識し始めるものの、実際に受験対策を始めるのは高校3年生になってからの生徒が多いことが読み取れます。

2-2.受験対策として塾に通い始めるタイミング

受験対策は早ければ早いほど安心なのは間違いないですが、上述の大学生へのアンケート結果からもわかる通り、必ずしも12年生から対策を始めなければならないというわけではありません。高校12年生は、部活動や学校行事などに打ち込める心身の成長に大切な時期でもあり、塾との両立が負担になってしまう可能性もあります。

また、株式会社NEXERが大学受験経験のある全国の男女1,000人に行ったアンケートでは、大学受験の際に塾や予備校に通っていたと答えた回答者の、76.4%が効果があったとの回答をしています。受験対策として塾に通う効果は期待できますので、いつから通い始めるかは、早期開始ありきではなく、生徒の現状の学力や目指す大学の難易度を踏まえて適切なタイミングを検討するのがよいでしょう。

3.大学受験の塾の費用を左右する指導形式

大学受験の塾にかかる費用を左右するもう一つのポイントは、塾の指導形式です。塾の指導形式には、大きく別けて集団指導形式と個別指導形式の2種類があります。どちらを選択するかによって、かかる費用も大きく変わってきます。

3-1.集団指導形式

集団指導形式の塾は、一人の講師が複数の生徒を同時に指導する形式の塾です。一定のカリキュラムに沿って授業が進められ、費用は一般的に個別指導型と比較して安い傾向です。基本的には決められたカリキュラムに生徒が合わせて勉強を進めていくスタイルですので、カリキュラムの内容が生徒の学力や目的と会わない場合に、デメリットとなってしまいます。しかし、大学受験という同じ目標をもった生徒同士が、同じ会場で切磋琢磨しながら勉強を進めていくことで、モチベーション維持につながることが期待できるメリットもあります。

3-2.個別指導形式

個別指導形式の塾は、生徒一人ひとりに講師がマンツーマンで付く形式の塾です。生徒個々の学力や学習ニーズに合わせた、オーダーメイドの学習指導を受けられるのがメリットですが、集団形式型と比較して費用が高い傾向です。また、受講効果が講師の質に大きく左右されるため、質の低い講師にあたってしまうと、大きなデメリットになってしまうリスクもあります。

3-3.塾の指導形式選択のポイント

塾の指導形式を選択する上では、費用の高い安いだけで決めるのは避けるべきでしょう。集団指導形式と個別指導形式は、生徒によって適性が違います。たとえば、基礎学力が身についておらず、学校の授業についていけていないような状況の場合は、個別指導形式の方が合っています。

逆に、学習の基礎が身についていて、自ら意欲的に学習できる生徒には、集団指導形式が合う可能性が高いです。生徒の性格によっても、一緒に勉強をする仲間に囲まれた環境が合うかどうかなど、適正は変わってきます。塾の指導形式を選択する際は、生徒の性格や学力および学習ニーズによって選択するのがポイントです。

4.まとめ

塾に通っている高校生の平均的な学習塾費用は、年間で約35万円~45万円近くもかかっており、決して安い金額ではありません。大学受験に向けて塾の費用を考える際には、生徒の学力や学習ニーズ、目指す大学の難易度などを考慮して、通い始める時期や指導形式を検討するのがよいでしょう。

「学志ゼミナール」は長野県上田市と長野市に教室を構え、教科ごとに個別指導・グループ指導・映像授業を組みあわせて、生徒一人ひとりに合わせた学習システムを採用しています。上田市・長野市で高校生の塾をお探しの際は、ぜひお問い合わせください。