2024年05月01日

成績が悪くても大丈夫?高校の成績は大学入試に関係するのか徹底解説

大学進学を目指す高校生にとって、高校の授業や部活などと受験勉強の両立は大きな問題でしょう。ついつい、学校の授業や試験よりも、受験勉強に力を入れたくなる人も多いのではないでしょうか。

それでは、高校の試験の成績が悪くても、大学入試に関係ないのでしょうか。そこで今回は、高校の成績は大学入試に関係するのかどうかを解説していきましょう。

1.高校の成績は大学入試に関係する?

高校の成績が大学入試に関係するかどうかは、入試の種類によって異なってきます。

1-1.学校推薦型選抜の場合

高校の成績の大きく影響する選抜方法が、学校推薦型選抜です。文部科学省も「調査書を主な資料として評価・判定する」と資料において公表しています。

いわゆる「推薦型選抜」に2種類あるのはご存じでしょうか。大学の指定した高校にのみ出願枠のある「指定校制」と、大学の設定する条件を満たす生徒なら誰でも出願できる「公募制」の2種類です。指定校制は主に私立大で行われていて、指定された高校のみに出願枠が設けられているため合格率は高いものの、高校内での人気も高く選考を勝ち抜くのは厳しい戦いになるでしょう。

公募制は条件を満たせば出願は誰でも可能ではあるものの、全国から同じように出願する受験生が多くいるため、合格する難易度は高めです。

これら学校推薦型選抜は、学科試験の課されることは少なく、多くの場合面接や小論文、書類審査で合否が決まります。文部科学省も調査書が主な判断材料だと公表している通り、とくに高校の成績が重視されます。

出願の条件として評定平均を設定している大学が大部分であり、成績がある基準を満たさなければ受験さえできないのが学校推薦型選抜なのです。評定平均というのは、高校1年から3年1学期までの成績の平均値を指します。

たとえば「〇〇大学の〇〇学部の指定校推薦は、評定平均3.5以上」の場合、推薦を受けるには高校1年から3年1学期までの成績の平均値が3.5以上でなければなりません。しかも指定校推薦の枠が1名だった場合、希望者の中で最も評定の高い生徒が選ばれることになるでしょう。このように高校の成績が大きく合否に影響するのが学校推薦型選抜なのです。

1-2.総合型選抜の場合

総合型選抜とは、「AО入試」と呼ばれていたもので、大学の「求める学生像」に合っているかどうかが合否の決め手となる選抜方法です。

何が重視されるかは大学によって異なり、学力を重視するなら成績、人物像を重視するなら成績や小論文、運動能力を重視するならスポーツでの実績などが合否の対象となります。総合型選抜を利用したいなら、志望校の重視するポイントを把握し、それに合った準備をしていかなければなりません。

ただし総合型選抜で高校の評定平均値を使うと明言している大学は、538校中191校におよぶことがわかっています。また、260校が高校の成績を出願条件・合否判定に利用することもわかっていて、総合型選抜でもやはり高校の成績が大切だといえるでしょう。

1-3.一般選抜の場合

共通テストや個別試験といった、いわゆるペーパーテスト結果の重視されるのが一般選別です。調査書や小論文、入学志願者本人の記載した資料なども加味されるものの、あくまで合否を決定づけるのはペーパーテストの点数です。高校の成績の影響が最も少ない選抜方法だといえるでしょう。

2.一般選抜でも成績が重視される?「高大接続改革」とは?

一般選抜はいわゆる実力勝負で、高校の成績はほぼ影響しないとお話ししましたが、一般選抜においても成績の重視される可能性のあるのはご存じでしょうか。2020年から30年ぶりに文部科学省による「大学入試改革」が行われているのです。

そのひとつが、大学入試センター試験の廃止でしょう。新たにスタートした「大学入試共通テスト」は、英語においてよりコミュニケーション能力が評価されるようになった点、国語と数学で記述問題の導入された点が大きな特徴です。

この大学入試改革で進められているのが、「高大接続改革」なのですが、聞いたことはあるでしょうか。高校での教育と大学での教育、大学入試選抜を一体化させることで、従来の知識の習得を中心に選抜する大学入試から、「学力の3要素」を評価する大学入試へと変革することです。

この3要素とは「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持ち多様な人々と協働して学ぶ態度」の3つであり、「主体性を持ち多様な人々と協働して学ぶ態度」こそ学校の成績に他なりません。

つまり、今後一般選抜においても成績を重視する流れが確定しているといえるのです。現在はまだ学力3要素を指針に掲げている大学は少ないものの、今後の流れに注目しましょう。

3.まとめ

学校の成績は、学校推薦型選抜で重要視されるものの、一般選別において成績はほぼ影響しないといわれていました。ところが今後は、文部科学省の政策次第で成績の重視される流れがどのように変化するかはわかりません。学校の中間・期末対策もしっかり行う必要があるでしょう。

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